
平成18年の第一回ワールドベースボールクラシック(WBC)で、、イチローや松坂選手が大活躍し、
王ジャパンが優勝したのを後存知の方は多いと思います。
平成18年3月初旬に、第1回ワールドベースボールクラシック(WBC)の直前キャンプが福岡ヤフードームでありました。
キャンプ前日、以前アメリカのインプラント関係の国際学会で1度お会いしたことのあるK先生
(現在は、アメリカ留学から東京医科歯科大学歯学部に戻り、オリンピック選手の担当医となっている)
から突然電話があり、「大リーガーの大塚投手が今日アメリカから福岡に到着したので、至急みてやって下さい。
アメリカで治療したところの噛み合わせがおかしいようです」との緊急要請でした。
小さい頃より大の野球好きの私は即座にその要請をOKしました。
翌日、王監督の初ミーティングが長引いたとの事で午後8時過ぎに、大塚投手が当院を訪れました。
主訴は、来日直前にアメリカで左上奥歯の治療(インプラントもあり)を受けたところ、
全体の噛み合わせがおかしくなり、ボールを投げるリリースの瞬間に顎が左にずれて指先に力が集中しないということでした。
急遽WBC出場が決まったため治療の時間があまりとれなかったので、噛み合わせの調整時間がなかったそうです。
口腔内を拝見すると、僅かに上顎左側臼歯部のセラミックによる修復部の噛み合わせが低く、
奥歯で食いしばった時に右の前歯が臼歯より少し先にあたっていました。2日間(合計2時間)
かけて左右の奥歯でできるだけ均等に噛み締められるように、慎重に口腔内全体の噛み合わせを調整しました。
口腔内で削合するたびに何度も大塚投手はチェアーサイドで、テレビで見たとおりのダイナミックなシャドーピッチングをして
、噛み合わせを確認していました。結果は周知のとおりで、私の噛み合せ治療の甲斐あり、
大塚投手は準決勝と決勝で見事にクローザーとして活躍し、日本のWBC優勝に大きく貢献しました。
また今年の大リーグ(テキサス・レンジャーズ)でもクローザーとして大活躍しました。
最近、噛み合わせ(咬合)と運動能力との関係が注目されるようになりました。
瞬発力の源は頑丈な顎と丈夫な歯とバランスの良い噛み合わせにあり、
野球に限らずスポーツ選手にとって、「歯は命」です。