歯周病の認知症との関係、効果的予防 | 福岡市東区香椎の歯医者さん「森本歯科」

歯周病の認知症との関係、効果的予防

歯周病が認知症の発症・進行に影響するメカニズムが解明されました。

歯周病は、歯を失う2大原因の一つであり、糖尿病などの全身疾患との関係が明らかになってきています。自覚症状なく静かに進行していくことから、サイレントディジーズ(静かなる病気)とも呼ばれる恐ろしい病気です。

最近の研究で、歯周病菌が認知症の発症や進行を促進するメカニズムが解明されました。歯を守るため、そして、全身の健康を守るため、さらには、健康寿命を延ばすためにしっかりとした歯周病対策を行っていただきたいと思います。

歯周病の原因細菌が「アルツハイマー型認知症」の発症因子に

認知症には種類があり、「アルツハイマー型認知症」が最も多く、認知症の半分を占めると言われています。このアルツハイマー型認知症は、脳に「アミロイドβ」という特殊なタンパク質が溜まることによって発症します。脳に「アミロイドβ」が蓄積すると、情報伝達が悪くなり、進行すると神経細胞が破壊されてしまいます。

そのため、認知症を防ぐためには、「アミロイドβ」の蓄積を防ぐことが必要と考えられますが、歯周病菌が「アミロイドβ」の生成・蓄積に関係するしくみが最近明らかになったのです。2020年7月に九州大学らの研究グループが、マウスを使った研究で発見しています。

歯周病が発症しやすい中年以降は特に注意していただきたい

九州大学らの研究は、若いマウスと中年のマウスを使って行われましたが、若いマウスには脳の機能低下が現われず、中年マウスに認知症の症状が現われています。
近年は、歯周病が低年齢化しているので、年代に関係なく歯周病を予防することが大切なのですが、歯周病・認知症のリスクからも、中年以降は特に徹底した歯周病対策を行っていただきたいと思います。

より効果的な歯周病予防を行うために

歯周病の根本の原因は、お口の中の細菌ですが、発症には生活習慣や全身疾患、ホルモンバランスなどさまざまなことが複雑に関係しています。そのため、トータル的な対策が必要となるでしょう。
ご自身のリスクを把握したうえで、自分に合った対策を行っていくことが、歯周病を予防し、全身の健康を維持することにつながります。

歯周病リスクを高める要因

  • 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
  • 歯並び・噛み合わせ
  • 合わない詰め物・被せ物
  • 食習慣
  • 喫煙
  • ストレス
  • 糖尿病などの全身疾患
  • 長期的な薬の服用

歯周病を発症しにくい口腔環境を作りましょう

ご自身で行うセルフケア(プラークコントロール)が歯周病予防の基本となりますが、歯科医院で行うメンテナンスが予防効果を高めます。
また、お口の中に“歯周病のリスクを高める要因”がある場合には、その“要因”を取り除くことが必要です。歯周病予防に限らず、虫歯予防やお口の機能向上のために、お口の環境を整え、病気が発症しにくい、お口の環境を作っていただきたいと思います。

クリーニング(PMTC)

毎日歯磨きをしていても、虫歯や歯周病になってしまう場合があります。磨き残しになっている場合には、正しい歯の磨き方を身に付けるとともに、定期的にプロのクリーニングを受けてお口の中の細菌を減らすことが大切です。

合わない詰め物・被せ物の除去

詰め物・被せ物がピッタリ合っていないと、隙間ができて汚れが溜まったり、不衛生になりやすくなり、歯周病が発症しやすくなってしまいます。詰め物・被せ物は時間がたつと劣化するため、定期的にチェックを受けることが大切です。

歯ぎしりやくいしばりの緩和

歯ぎしりやくいしばりは、さまざまな要因が関係していますが、ストレスのほか、噛み合わせや歯並びも影響します。ナイトガードの使用で、歯や顎関節にかかる負担を軽減できます。

噛み合わせ・歯並びの改善

噛み合わせや歯並びの悪影響は、歯周病のリスクを高めるだけでなく、全身に及びます。大人になってから健康のために矯正治療を行う方も増えていますので、お気軽にご相談ください。

「歯周病になっていないか」ぜひ検査にお越しください

歯周病は、痛みなどの自覚できる初期症状がありません。そのため、気付いた頃には歯周病が進行している場合もあります。
適切な歯周病対策を行うために、まずはご自身のお口の中を知ることから始めませんか?

当院は、お口の中をチェックして、ご自身の口腔環境に合った歯周病予防をご提案しています。お口の健康だけでなく、認知症を防いで健康に暮らすために、「痛くなる前の受診」をおすすめします。

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