歯周病治療Periodontal disease treatment
治りにくかった歯周病もしっかり治して再発を防ぐ
歯周病は、かつて「不治の病」と呼ばれるほど治療が困難で、再発のしやすい病気でした。しかし、現在は症状の改善だけでなく、治療の可能な病気です。
森本歯科では、患者様の口腔環境に合わせた治療プランを立案し、定期健診や予防指導など行います。重度の歯周病によって骨が溶かされてしまっていても、当院では骨を再生させる治療を行います。歯周病が気になる方は、まずはご相談ください。
歯周病治療の流れ
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問診・精密検査
現在のお口のお悩みや、生活習慣などについて問診いたします。口腔内の清掃状況や歯周ポケットの深さ、歯の動揺度など、口内の状態を検査し、必要に応じてレントゲン撮影なども行います。
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応急処置
痛みがある、歯が破折しているなど、処置が必要な部分を治療します。日常生活を送れるように処置を施すだけなので、応急処置では完治していません。不適切な被せ物がある場合は仮歯にします。また、抜歯の可能性がある歯が見られる場合は、この時点で患者様にご説明しご理解いただけるよう努めます。
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歯周基本治療
歯周病の進行度合いにかかわらず、まずは歯周基本治療を行います。歯周基本治療は、歯周病菌の住処である歯垢の除去を行い、炎症や排膿などの症状を緩和・軽減を目指します。
歯周病の進行に伴い歯周ポケットが深くなるため、肉眼では歯石除去が難しくなり、取り残しをしやすくなります。当院ではマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用することで、歯周ポケット内の歯石を確認しながら除去します。 -
再評価
歯周基本治療後、日を置いて再度来院していただきます。歯肉の炎症や歯周ポケットの深さを確認し、改善が見られる場合は定期メンテナンスに移行します。改善が見られない場合は、外科治療を行います。
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歯周外科治療
治療前に、手術に必要な検査を行います。外科手術が可能かどうかは、歯周病の状態や程度、患者様の健康状態によっても異なりますので、じゅうぶんに患者様と話し合い同意をいただけましたら、手術を行います。
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定期メンテナンス
歯周基本治療や歯周外科治療などの効果によって安定した口腔内の状態を維持するために、定期的にメンテナンスを受けていただきます。歯周ポケットの奥や歯並びの悪い場所など、歯ブラシでは届かない部分に溜まりがちな歯垢・歯石の除去などをおこないます。
歯周病ステージ別の治療
歯周病の進行度合いによって治療法は変わります。歯周病治療に欠かせない歯周基本治療と、重度の歯周病になった場合に行う外科治療についてご紹介します。
Initial periodontal therapy 歯周病基本治療
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プラークコントロール
プラークコントロールには、患者様ご自身が行うセルフコントロールと、歯科医院で受けるプロフェッショナルコントロールがあります。患者様に正しいブラッシング方法の指導を行うことと、口内・歯面を専門的に清掃を行うことがプラークコントロールとなります。
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SRP
SRPとはスケーリング・ルートプレーニングの略で、歯石を除去する処置のことです。歯垢が硬くなったものを歯石といい、歯磨きでは除去できず口内が口腔衛生に悪影響です。スケーリングでは歯面に付いた歯石の除去を、ルートプレーニングでは歯周ポケット内部や歯根表面の歯石などを麻酔をかけてから除去を行います。
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咬合調整
歯周病が悪化する原因のひとつに、咬合性外傷があります。悪い噛み合わせによって引き起こされる外傷(ケガ)のことで、適切な噛み合わせに調整することで咬合性外傷は起こらなくなります。歯肉の炎症が治まってから調整します。
Periodontal surgery 歯周外科治療
重度の歯周病になると、歯を支える歯槽骨が破壊されて歯周ポケットが深くなります。これを放置すると歯が抜けてしまいますが、歯槽骨再生治療という外科手術を行うことで歯周ポケットの改善や、歯根膜・セメント質・歯槽骨の再生が期待できます。

歯周外科治療(歯槽骨再生治療)の流れ
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術前検査
歯槽骨再生治療を行う前に歯周ポケットの深さを計測したり、レントゲン撮影を行ったり、歯周組織の状態を調べます。患者様の健康状態を確認し、よく話し合ったうえで手術を行います。
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歯槽骨再生治療開始
手術では最初に、歯肉を切開し剥離します。歯根部分を露出し、表面に付着した歯石や汚染されたセメント質を除去します。
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歯槽骨再生治療終了
歯根に歯周組織再生用材料を塗布し、切開した歯肉を縫合して終了です。手術自体は1時間程度で、しばらく休んでいただいてから帰宅していただきます。
抜糸は、手術後2週間から6週間後に行い、抜糸後は、毎日のブラッシングによる口腔衛生の維持に努め、定期的に歯周組織の再生状況と口腔環境を確認するため来院していただきます。
歯周組織の最終検査が終了し、問題がなければ治療終了です。その後は、定期的にメンテナンス受診を行うことで、歯周病の再発を防ぎます。
歯周病治療のQ&A
歯科医院での定期的なメンテナンスに関して、よくいただくご質問に回答しました。以下の質問に含まれていない疑問がある場合は、当院スタッフへお気軽におたずねください。
歯周病の治療期間はどれくらいですか
軽度の歯周病であれば、約2ヶ月から3ヶ月で治療が終わることが多いですが、中度、重度になると長期間にわたって治療を続けなくてはいけなくなります。特に、歯周外科治療が必要なほど症状が進んでいる場合は、手術から抜歯するだけで1ヶ月以上かかることもあります。
治療後も定期メンテナンスを行う必要がありますが、定期的な受診によって再発予防と早期治療が可能となります。
歯周病治療は痛いのでしょうか?
当院では、痛みに配慮した歯周病治療に努めています。歯周外科治療では、必ず麻酔をかけてから手術を行いますので、痛みを感じることはほぼありません。また、手術にマイクロスコープを使用することで、低侵襲な手術を行い、術後の痛みや腫れの軽減にも努めています。
また、歯肉の切開や消炎処置、歯周ポケット内の殺菌など、歯周病治療に炭酸ガスレーザーを応用することがあります。炭酸ガスレーザーは表面だけを焼くため痛みが少なく、通常は麻酔が必要な治療でも麻酔せずに施術できる場合があり、妊婦の方も安心して治療を受けられます。
歯周病治療費は保険が適用されますか?
歯周基本治療には保険が適用されますが、患者様の症状によっては歯周外科治療が必要になることがあります。歯周外科治療の歯槽骨再生治療は、自費診療なので保険による補助がないため、治療費を全額負担しなくてはいけません。
しかし、自費診療でも医療費控除制度を利用すれば、歯周病の治療費負担を軽減できます。家族が1年間で支払った医療費が10万円以上であれば、医療費控除を受けられます。
医療費控除制度について